株式会社 明工社

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医療施設用配線器具

医用コンセントの開発ストーリー

● 開発の背景

日本では、1960年代後半から、医療用の電子機械器具(ME機器)が急速に普及し始めました。それと共に、ME機器からの漏れ電流ではないか、と思われる医療事故が専門家から指摘されるようになりました。

1976年頃、電気設備学会で、厚生省(当時)の技官、医師、大学教授、 ME機器メーカー、配線器具メーカー、電気工事会社などの専門家が集まり、 対策検討会議が開催されました。明工社は配線器具メーカーとして参加しました。 同委員会から、配線器具に関しては日本配線器具工業会で検討するように要請がありました。これを受けて、工業会で医用(当時の呼称=病院用)のコンセントの開発を検討することになりました。

 

● 対立する意見

ところが、日本配線器具工業会では、医用コンセントの在り方について意見が 真二つに分かれました。

ひとつは、改造費用が安価で済むとの理由で、一般家庭で使用されている 接地極付のコンセントに接地リード線をカシメた程度にしようという案。もうひとつは、明工社が提案した、米国に既に有ったUL Hospital Grade 規格並の性能を目指した本格的なものでした。

前案については、殆どのメーカーが支持していました。一方、後案については、 技術的、開発資金的に支持するメーカーがなく、明工社が孤軍奮闘することになりました。

 

● 明工社の孤軍奮闘

後案を提案した明工社には、配線器具業界における専門メーカーとしての プライドと、病院の電気安全に対する強い思いがありました。今更、前案のようなレベルの医用コンセントを世の中に出したら世界の恥になる。それに、専門家が指摘しているような危険が、いつ我が身、我が家族に降りかかってくるかという、患者の立場での考え方も強くありました。

工業会では激論が続き、結論が出ないまま、明工社はUL並みのコンセントの開発を始めました。ところが、研究を進めていくうちに、ULのものは想像を超えた過酷な強度要求であることがわかりました。一般用のコンセントの材料を変えたり、少々の補強をして済むものではありませんでした。力学的見地から、全ての部品の再検討を余儀なくされ、新規設計をしなければなりませんでした。UL規格の試験機は当然日本には有りようも無く、設計者の手造りとなりました。

 

● 1978年に医用コンセント完成・発売

1977年、明工社は東京都経済局から、この研究の価値や公共性が認められ、 研究開発の助成資金を受けることになり、1978年5月、ついにUL規格と同等な 本格的医用コンセントを完成、発売することができました。それから2年経って、 他メーカーも同等な性能を有する医用コンセントを発売しました。

 

● JIS T 1021医用差込接続器が制定

1982年2月、明工社の医用コンセントの性能をモデルにした、UL規格と同等のJIS T 1021「医用差込接続器」が制定されました。

1983年、組立方式(コード交換式)医用プラグも、明工社が業界に先駆けて発売しました。

1997年、国内の接地極付コンセントの概念を覆して、通常に取り付けた状態で 接地極 を上にした医用コンセントを発売。金属製の事務用品などの落下による導電刃間の短絡事故防止に役立つ、との高い評価を得、著名な大手の病院で多く使用され始めております。

このような、高度な品質に対する探究心は、私共の全製品に引き継がれております。

 

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